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2023.09.15 お知らせ

『ミルクの中のイワナ』トークセッション 【シシとイワナ -ネイティブの未来を語るとき-】


9月24日(日)開催の『ミルクの中のイワナ』上映会後にトークイベントを開催します。
トークイベントは、『ミルクの中のイワナ』映画監督の坂本麻人さん、遠野で地域プロデューサーとして活躍し、張山しし踊りの舞手でもある富川岳さん、岩手の河川を知り尽くす釣りYouTuberの及川力さん、狩猟と鹿子躍を実践する京屋染物店の蜂谷淳平の4名によるトークセッションです。

 

シシとイワナ  -ネイティブの未来を語る時-

『ミルクの中のイワナ』の制作の背景には、麻人監督とシシオドリとの出会いがとても大きく影響しています。

シシオドリは、山の獣の肉を食べ暮らしの糧にしてきた時代、獣への感謝と供養として踊られてきた郷土芸能です。

シシは獣だけではなく亡くなった人も弔い、初盆には岩手の各地でシシが人を弔う風習が今なお続いています。

人もまたやがては土に還り、草木が芽吹き獣の糧となる自然の循環も踊りという野生的な方法で柔らかく伝えています。

『シシと人』は常に対立と共生の狭間で、矛盾とジレンマを抱えながら生きてきました。そんな岩手の人々の精神性がシシオドリには宿っています。

岩手のシシオドリは、およそ150ほどの団体が伝承されており、衣装や踊りなど団体ごとに全く違う特徴をもったシシが、岩手の各地で継承されています。

しかし何百年も継承されてきたシシたちも、過疎化などの影響による後継者不足から、廃絶する団体が増えている現状にあります。

ミルクの中のイワナ

イワナもまた古くから日本人の生活に寄り添ってきた魚で、食の糧だけではなくゲームフィッシュの対象として親しまれている身近な渓魚。

イワナにまつわる伝説や伝承が数多く伝えられ、神秘の魚として愛され畏れられてきました。
しかしイワナを取り巻く生態系が、いま危機に直面しています。

ダム建築などによる環境変化や、釣り人の乱獲、また漁業法で定められた増殖義務などの影響から、養殖魚と天然魚の交雑によって河川ごとに違った特徴を持つイワナの個性が消えつつあります。

『多様な種をどのように残して繋いでいくか?』『誰がどのように関わっていくべきか?』は、シシとイワナに共通する課題です。

麻人監督は『この映画は釣り人や自然環境を考える人はもちろん、地域文化のこれからを考える方々にも見てもらいたい』と語ります。

今回のトークセッションでは、釣り、郷土芸能、狩猟、自然保護というジャンルで活躍するプレイヤーをゲストに、これらの課題にどう向き合っていくべきか? 郷土芸能が日本一残り、イワナの楽園というべき岩手から考えていく意義はとても大きいと感じています。

『ネイティブの未来』について、皆さんと参加者の皆さんと共に考え語り合いたいと思います。

 

トークセッションのスピーカーについて

坂本 麻人(さかもと・あさと)

大阪生まれ。東京在住。ドキュメンタリー映像作家。岩手県・遠野市を舞台に死生観を題材にした映像作品『DIALOGUE WITH ANIMA』を監督。またカルチュラル・スタディーズツアー「遠野巡灯篭木(トオノメグリトロゲ)」の総合演出、プロデューサーとして活動。その他に、研究プロジェクトJST / ERATO x HITE『脳AI融合プロジェクトxHITE』の映像作品を制作。またバイオアーティスト 長谷川 愛の映像作品『Shared Baby』(森美術館「未来と芸術」展 出品)や市原えつこ『未来 SUSHI 研究者は語る』(森美術館「六本木クロッシング2022」展 出品)などの監督・監修を担当。2023年公開の ドキュメンタリー映画『A TROUT IN THE MILK / ミルクの中のイワナ』の監督・プロデューサーとして活動。過去には、矢口高雄作品『釣りキチ三平』とルアービルダーによるコラボレーション企画のプロデューサーとしても活動していた。映像プロダクション THE LIGHT SOURCE 主宰、一般社団法人 Whole Universe の理事。

 

富川岳(とみかわ・がく)

 株式会社富川屋代表。作家・プロデューサー。 1987年、新潟県長岡市生まれ。 都内の広告会社でプロデューサーとして勤務した後、2016年に岩手県遠野市に移住。地域史研究家の恩師との出会いで『遠野物語』の世界に戦慄し、深く傾倒。以来、遠野で暮らす強みを活かして民俗学をベースとした様々なプロデュースや創作活動を行っている。また、柳田国男も遠野滞在中に目にし、『遠野物語』序文にも登場する「張山しし踊り」にて郷土芸能の舞手としても活動中。平地人と山人の両面を持ちながら文化振興に励む日々をおくる。初の単著『本当にはじめての遠野物語』を6月に自費出版した。

 

及川力(おいかわ・りき)
岩手県在住、1994年生まれ、
幼少期からイワナやヤマメを釣るのが好きすぎて無職となる。
24歳の時に始めたYouTubeチャンネルがきっかけとなり、世間に圧倒的な実力がバレてしまい複数の釣具メーカーとスポンサー契約を交わしている。
Jacksonフィールドテスター。
Foxfireフィールドスタッフ。
VARIVASフィールドテスター。
チャンネル登録者数3万人越えのYouTubeチャンネル「RIKIOIKAWA」を運営する傍ら、アパレルブランド「REVTR」ルアーブランド「R3MANO」を展開している。

 

蜂谷淳平(はちや・じゅんぺい)

株式会社京屋染物店 専務取締役。東北芸術工科大卒業後、家業である京屋染物店に入社。2017年に、一般社団法人 世界遺産平泉・一関DMO 立ち上げ理事に就任。2018年、東北初のオープンファクトリー『五感市』を立ち上げ実行委員長を務める。2019年、SnowPeakとの共同事業『LOCAL WEAR』では、土地の物語を着る服作りとして、年2回のツーリズム事業も並行してスタート。同年、自社ブランド『en・nichi』がスタートし、東北の衣服と人の暮らしを紐解きながら、現代の生活に寄り添う服作りを始める。2022年、岩手で害獣駆除された鹿の皮を使ったプロダクト『山ノ頂』をリリース。2023年、ローカルの文化の発信拠点として、岩手県一関市の里山に新拠点『縁日』を構える。舞川鹿子躍と狩猟を実践し、人と自然の共生のあり方を探究する日々を過ごす。

 

トークセッションの詳細について

●日時

2023年9月24日(日)

16:30  開場
17:00  上映開始
18:30 トークセッション
19:30 終了

 

●場所

縁日(〒021-0041 一関市赤荻字笹谷275)
アクセスはこちらから↓
https://ennichi-satoyama.jp/access/

 

●チケット(トークセッションは、映画の観覧チケットでご参加いただけます)

前売りチケット2,200円(税込) 当日チケット2,750円(税込)
※ワンドリンク付き

 

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