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2025.10.20 お知らせ

くらしを灯す― 近江・大與の手づくり和ろうそく展 ―

この冬、縁日では、滋賀県・高島で100年以上にわたって和ろうそくをつくり続ける「近江手づくり和ろうそく 大與(だいよ)」の企画展を開催します。

 

 

櫨(はぜ)やお米など、天然の植物蝋を100%使い、職人が一本ずつ手で仕上げる和ろうそく。

静かにゆらめく炎は、冬の部屋をやさしく包み、日々の暮らしにあたたかい時間を灯してくれます。

 

 

期間中は、和ろうそくやブロックキャンドル、そして冬の贈りものにぴったりなギフトセットを展示・販売します。

 


 

和ろうそく大與との出会いは、東京の日本民藝館でした。

売店に並ぶたくさんの民藝品の中で、櫨の実からつくられた和ろうそくがひときわ目を引きました。

植物の蝋からできていると聞き、「櫨ってどんな木だろう」「どうやって作るんだろう」と、その場で思わず手に取ってしまったのを覚えています。

 

 

その後、和ろうそくの歴史や製法を調べるうちに、“自然の恵みをそのまま灯す”というものづくりの姿勢に心を惹かれ、縁日でも扱わせていただくようになりました。

 

そして先日、ようやく念願だった大與さんの工房を訪ねました。

近江今津の駅から歩いて数分のところにある工房で、四代目の大西巧さんが、和紙をよって芯をつくり、い草を巻き、40度ほどに温めた櫨蝋を手で何層も塗り重ねていく姿を見せてくださいました。

 

 

手が蝋にまみれ、時折ろうそくを唇に当てて温度を確かめる。

そうして一本一本、指先の感覚と経験で灯りのかたちが生まれていく。

その光景はまさに、「光をつくる手」の仕事そのものでした。

 

和ろうそくの炎は、ただ明るいだけではなく、見る人の心に静けさと安心を与えてくれます。

昔から寺や茶の場で使われてきた灯りを、大西さんは現代の暮らしにそっと取り戻す提案をされています。

 

 

この冬、笹谷の縁日にて、手仕事の温度とともに、やさしくゆらめく灯りの風景をお楽しみください。

(庄子)

 


◯開催概要

くらしを灯す ― 近江・大與の手づくり和ろうそく展 ―

期間:2025年11月22日(土)〜11月30日(日)

時間:11:00〜17:00(火・水休)

場所:縁日(岩手県一関市赤荻275)